リベール通信第4号

【特集】ツァイス中央工房長 地震の終息を宣言
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◆ツァイスの群発地震 ようやく終息◆
 ツァイス地方で続発していた地震も、ようやく終息
を迎えたようだ。前号で速報としてお伝えしたヴォル
フ砦を皮切りに、ツァイス市、セントハイム門、レイ
ストン要塞と、次第にその強さを増していく地震に市
民の多くが不安を募らせていた。

◆突然の“安全宣言”◆
 ところがレイストン要塞の地震から間もなく、中央
工房マードック工房長の名義で“安全宣言”が公表さ
れる。突然の発表に戸惑いの声も聞かれたが、事実そ
れ以降地震は起きていない。なぜ、早期の安全宣言が
可能であったのか。マードック工房長は「特殊な要因
で発生した地震と特定できたため」と説明する。今回
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マードック工房長
の地震は地下の七耀脈(自然に存在す
る導力の流れ)を原因としており、そ
の解析から活動の終息を正確に予測で
きたのだという。
 ひとまず地震の脅威は去った。しかし、工房長が安
全宣言の中で「備えることの重要性」を説くように、
災害はいついかなる時に起こるか判らない。この地震
を教訓に地域の防災態勢を見直す必要があるだろう。

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【技術】新型エンジン ついに完成!
 中央工房で開発されていた新型の導力機関がついに
news4-2 完成、報道陣に公開された。
 同エンジンは巡洋艦《アルセイ
ユ》のために設計され、従来を大
幅に上回る出力、そして野外での
修理も可能な高い整備性を誇って
いる。同エンジンを搭載した《アルセイユ》の巡航速
度は時速3200セルジュに達し、これは定期船の平
均運航速度の4倍に相当する。もちろん、現在のとこ
ろ世界最速の船である。

【外交】新型エンジンが取り持つ3ヶ国の和平
 前頁でお伝えした新型エンジン。調印式では同機の
サンプルが帝国・共和国双方に提供される予定だが、
実はその提案が本条約の実現にも重要な役割を果たし
ていたようだ。
 次世代飛行船の鍵を握ると言われる同エンジン。技
術供与は両国で「平和の果実」と解釈され、条約の肯
定的評価につながった。順調に進んだ交渉の裏には、
その影響が少なからずあったと言われている。
 リベールの技術が取り持った不戦の誓い――諸国と
の融和を掲げる王国外交の切り札として、今後も新型
エンジンに寄せられる期待は大きい。

【社会】エルモ温泉 一時沸騰状態に
 群発地震に見舞われたツァイス地方。南部に位置す
るエルモ村でも、温泉のお湯が沸騰するという奇妙な
事件が起きていた。現象は数時間後に自然に収まった
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沸騰するエルモ温泉
ものの、今に至るも原因は不明。
付近で地震が頻発していたことか
ら、地下で何らかの異常が起きた
とも考えられる。源泉の調査に当
たった遊撃士協会によれば、この
現象は「一時的なもので再発の恐れはない」(現地支
部代表)とのこと。地震との関連については中央工房
と協力して引き続き調査が行われる予定だ。