詰碁を楽しむ会


 『詰碁を楽しむ会』誕生

発起人の一人・棋道編集長 佐藤紘一


 詰碁の碁縁。何と異なものアジなものかとつくづく思う。
 この会の発起人のお二人、神奈川県相模原市在住の山本岩雄さんと富山県在住の横山薫二さんとは、今から六年ほど前に、たまたま『棋道』誌のお年玉クイズ『手筋大辞典』が当たった仲である。それをきっかけに、以来、難解な懸賞詰碁に応募し続け、「今月はできたか?」「いや、ダメだ」と電話だけのおつきあいを延々と続けていた。その間、横山さんは、何と棋道詰碁の両題正解者の氏名を北海道から沖縄まで、毎月パソコンに打ち込んでおられたのである。
 この話を知った早稲田大学の三浦修名誉教授が「驚いたねえ、詰碁ってそんなに魅力のあるものなのか!」と感にたえたようにひざをポンと打って、「そうだ。これは詰碁の同好会をつくる一手だよ。どうかね、将棋にはあるけど碁では聞いたことがない!!」
 そこで、棋道誌で、昨年の十月下旬、富山県の碁石が峰に取材に行く碁縁が出来たとき、前記の三氏と囲碁文化研究家の水口藤雄氏と山本氏と同じ相模原市民の小生佐藤の五人が車の中で策を練り始めたのである。
 何とも急な展開であった。
 会員をどうやって募ったらよいのか。
 三浦「横山さんのリストを頼りに口コミでどんどん広げればいい」
 年に四回の会誌を作ることにした。編集作業をやってくれそうな人もいないが、どうしたものか。
 三浦「そんなこと心配はない。詰碁仲間の気合いでスタートしちゃえばいい。会報の題字は僕が趙治勳大三冠に頼んであげよう」
 四人「エ・エーッ、まさか。本当ですか」(それがすぐ実現して夢のようなうれしさ。もう会誌が完成してしまったような気分でした)
 横山「石川県の日月(たちもり)さんも入会して下さるはずですよ」
 佐藤「日月さんといえば、日本棋院に、古典の難問詰碁のミスなど何回も投書されて、編集者やプロ棋士を悩ませたすごい詰碁ファンの方ですよ」
 水口「詰碁作家の塚本惠一さんも入ってくれたら鬼に金棒だよね」
 山本「初級者も楽しく入れるようなイメージアップに、私は女性会員獲得に努めます」 と、こんなふうに話がどんどん進展してしまった。そのうち、編集長役に神奈川県の普及指導員・北見浩四さんが決定。北見さんは、パソコンを打ち込むのは得意中の得意だが、文章作りは大の苦手だという。早くも心配が始まる。
 北見「創作詰碁の応募をしても、ぼくらじゃ簡単に判定できないじゃないか。どうする?」すると碁縁のあったプロ棋士・神田英九段と安倍吉輝九段が顧問を引き受けてくれるという、これまた何という幸運。
 そして、全国から詰碁ファンがこんなに大勢入会して下さった!!。そして早くも、オギャーと誕生した、この会報。
 これからは会員の皆様に協力していただいて、どんどん楽しいものに育っていけばいいなと思うばかり。
 将来は詰碁段級位などもできればいいですね。
 皆さん、よろしくお願いします。

「詰碁世界」創刊号(平成11年4月20日発行)より


『詰碁を楽しむ会』役員
会長 吉国一郎 日本棋院相談役
副会長 三浦修 早稲田大学名誉教授
山本岩雄 相模原支部長 公認審判員
顧問 安部吉輝 日本棋院棋士九段
神田英 日本棋院棋士九段
結城聡 JALスーパー早碁選手権者
張翔 本因坊・王座
羽根直樹 棋聖・天元
理事 日月芳雄 石川  医師
江場弘樹 愛知  ゲーム研究家
金 永淑 東京  薬剤師
栗原宏子  〃  会社員
鈴木良子  〃  システムエンジニア
土屋庸吉  〃  会社役員
水口藤雄  〃  囲碁文化研究家
塚本惠一 神奈川 詰碁作家
佐藤紘一  〃  元棋道編集長
木下恵美子  〃  碁席席亭
大竹幸雄  〃  銀行員
塚田忠明  〃  会社員
山田英夫  〃  会社役員
北見浩四  〃  普及指導員
会計 大竹幸雄、塚田忠明
会計監査 栗原宏子
事務局 囲碁サロン天元 気付け『詰碁を楽しむ会』
〒229-0039 相模原市中央3-3-8
FAX 042-736-9251
編集担当 佐藤紘一、水口藤雄、塚本惠一

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