(詰碁に強くなる法第11回)「ホウリコミの筋、ウッテガエシの筋」
塚本惠一 著 [詰碁世界第12号(2002年1月発行)掲載]


(ホウリコミの筋)
石を取らせて有利に導く捨て石は気持ちの良い手筋です。ホウリコミの筋は1目を取らせて相手の眼形を奪う狙いに用いられます。

1図 黒先白死
2図 1図の解
3図 変化
2図の黒1がホウリコミの筋です。白2と取れば黒3で眼がなくなります。3図の白2には黒3で白はさえぎれません。

4図 黒先白死
5図 4図の解
5図の黒1のホウリコミから黒3で下方が後手1眼になります。


(ウッテガエシの筋)
石を取らせて取り返すウッテガエシの筋も詰碁で多用されます。本講座に示す基本形の意味を十分に理解されたら、そのバリエーションの形を色々と考えて試されるのが良いでしょう。

6図 黒先白死
7図 6図の解
8図 変化
7図の黒1がウッテガエシ狙いのホウリコミです。8図の白2なら黒3でホウリコミは白の眼形を奪うのに一役買っているわけです。

9図 黒先白死
10図 9図の解
11図
9図は中級の詰碁ですが、この図を見てウッテガエシの筋が浮かぶようになれば、詰碁を解く力は十分に上達したと言えるでしょう。正解は10図の黒1で、白2の抵抗に黒3から黒5黒7のウッテガエシの筋で決まります。11図の白2には黒3で白死です。変化はご研究願います。

12図 黒先白死
13図 12図の解
14図 黒先白死
2箇所の石が取れるのに、どちらを取ってもウッテガエシ、という悲劇的な状態が両ウッテガエシです。12図がその基本形で、13図の黒1黒3で鮮やかに決まります。両ウッテガエシのバリエーションも色々と考えられます。一例として14図を挙げておきます。



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