その他のテーブルゲーム CasinoWar , MonopolyPorker


1、はじめに

 このページではこれまでに紹介しなかったゲームを取り上げる。いずれも近年になってアメリカのカジノで遊ばれるようになったゲームであるが、いつまで続くかは分からない。カジノゲームは顧客の人気とハウスの収益との兼ね合いで盛衰するので、これまでにも流行して消えたゲームは数知れない。たとえばRedDog(「カジノの歴史と現況」で紹介)は1960年代からよく遊ばれたが、80年代にはほとんどのカジノから消えたゲームである。
 カジノ側も目新しいゲームで客を取り込もうと新ゲームの開発に余念がないので、今後もさまざまなゲームがカジノに登場することであろう。楽しみでもある。
 なお、現在のカジノでよく遊ばれているレットイットライド、カリビアンスタッド、3ポーカーなどのゲームはポーカーのページで概要を紹介しているのでそちらを参考にしていただきたい。

カジノウォーモノポリーポーカーボストン5
ボーナスポーカーLet's Get WILDTriple Shot


2、カジノウォー

 このゲームは1990年代も後半、20世紀も押し詰まってから登場した。ルールはいたって簡単で、いわゆる丁半博打である。

<ルール>
    テーブルはブラックジャックとほとんど同じで7人ほどが座れるようになっている。
  1. プレイヤーは自分の前にある賭け金を置く場所(Betting Index)にチップを置く。
  2. ディーラーはカードシューからカードを1枚ずつ取り出してプレイヤーの前に表向きに配っていく。
  3. ディーラーは最後に自分にも1枚表を向けて配る。
  4. 勝負はディーラーのカードに対して、プレイヤー各自に配られたカードの強弱(Aが最強、2が最弱)で決まる。スートは無関係で、単に数字の強弱である。他のプレイヤーのカードも無関係である。
  5. 問題は同じ数字だった場合、引き分けではなく以下の選択肢がある。
    1. サレンダー
      賭け金の半額を払って勝負を降りる。
    2. ウォー
      該当プレイヤーとディーラーがそれぞれ賭け金と同額のチップを新たに場に加え、もう1枚ずつカードを引く。ここでの勝負で勝った方が場のチップを取る。さらに引き分けたらプレイヤーの勝ちである。
 当初のルールではウォーでさらに引き分けた場合、同額のチップをボーナスとしてプレイヤーはもらえたが、上記のように最近ルールが改悪されている。
 単純さという意味ではこれほど簡単なゲームは無い。「博打は単純なほど面白く、奥が深い」という考え方からいえば、このゲームは最高のギャンブルゲームとも言える。誰でもテーブルに座ればやれるので、一度博打の心髄に触れてみるのも一興かも知れない。


3、モノポリーポーカー

 2000年6月、アメリカ南部のカジノを巡る旅で面白いテーブルゲームを見つけた。題して "MONOPOLY Poker" 。所はミシシッピー州の保養地BILOXIのGRANDカジノ。テーブルにはモノポリーおじさんがステッキを持ってOの文字から手を広げている例の商標が掲げてある。これを遠くから見たときはマシンゲームのモノポリーかと思ったのだが近づいてみて驚いた。完全なテーブルゲームで、ルールはレットイットライドに似ていたが、なんとも奇妙な面白さがあるゲームであった。
なお、2年経った今年(2002年)同じカジノに行ってみたら、このゲームテーブルは無くなっていた。人気が無かったのかもしれない。

<ルール>
  • 目的
     50枚のカードのうち、配られた4枚のカードとディーラーの表示した1枚の共通カードを使って以下の組み合わせを作る。
       カラーグループ
       水道・電力会社グループ
       鉄道グループ

  • プレイの流れ
     プレイヤーは7人まで、各プレイヤーの前には3つの賭金を置く表示がある。まず賭金を置く四角い表示、その上にプログレッシブ(ボーナス)用の$1を入れる穴、賭金を置く四角い表示の下にプレイ続行する時に賭け金と同額を置くGOと表示された所。賭金はミニマム$10から。上限は失念。
     最初にプレイヤーの前にあるボックスに賭金を置く。その前方にあるプログレッシプ用の穴に、これは任意で$1入れる。(プログレッシプになる組み合わせは後述)
     ディーラーはプレイヤー各自に4枚配り、自分にも4枚配ってその一番上のカードを伏せたままにして残りはディスカード入れに入れる。
     プレイヤーは自分の手を見て「勝負できる」と思ったらGOに賭け金と同額を置く。「だめだ」と思ったらカードを捨てて賭金(とプログレッシブ$1)は没収される。全員がプレイの意志表示をしたらディーラーは伏せていた自分の1枚を見せる。このカードはプレイヤー全員に共通となる。このようにして、下記の役ができているプレイヤーに配当され、何の役もなければチツプは没収される。

  • カード
    Natural Color-Group
    natural color
     赤、黄、緑、オレンジ、ピンク、空色が3枚ずつ、青と紫が2枚ずつ、それぞれモノポリーの土地の色に対応してあり、各色どれかを集める。青と紫は2枚で完成なので有利。

    Color Wild Cards
    wild cards
     5枚のワイルドカードがあり、これは各カラーグループの1枚と置き換え可能。(ただし使えるワイルドカードは1グループにつき1枚)

    Utility Cards
    utility cards  電力会社と水道会社カードが各1枚。

    Railroad Cards
    utility cards  鉄道会社のカードが4枚。

    House Cards
    house cards  X1と書かれたボーナスカードが4枚。手の内にあれば配当と同額が別に貰える。

    Hotel Card
    hotel cards  X3と書かれたボーナスカードが1枚。手の内にあれば配当の3倍額が別に貰える。

    Token Cards
    token cards
     モノポリーで使う7種類のコマの絵が描かれたカード。7人のプレイヤーの前にそれぞれこのコマの絵が描かれており、同じ絵のカードが配られたら負けは無い。


    Tax Cards
    tax cards
     5種類の税金カード。これらは配られても何の意味も無いが5枚全部を集めるとプログレッシブジャックポットの配当を100%貰える。

  • GOを選択したプレイヤーへの払い戻し率
    HAND配当
    Natural Color-Group 2個125 to 1
    鉄道カード4枚100 to 1
    鉄道カード3枚20 to 1
    ワイルドカードを含むColor-Group 2個12 to 1
    Natural Color-Group 1個6 to 1
    Utility 2枚3 to 1
    鉄道カード2枚2 to 1
    ワイルドカードを含むColor-Group 1個1 to 1

  • プログレッシブジャックポットの配当率
    青+緑のNatural Color-Group100%
    税金カード5枚100%
    青のNatural Color-Groupと鉄道3枚10%
    青のNatural Color-Groupとワイルドカード3枚10%
    鉄道カード4枚5%
    ワイルドカード4枚$250
    鉄道カード3枚$50
    ワイルドカード3枚$20

 ワイルドカード5枚を集めてもジャックポットにならないとか、トークンカードを多く集めても配当が無いとか疑問な点もあるが、きわものゲームとしては面白いゲームであると思う。そのうちに流行るかもしれない。



以降に紹介する4つのゲームは、2002年6月にアメリカ南部のカジノ巡りをしたときに見たものである。南部のカジノは新しいゲームの実験場になっているのかもしれない。


4、ボストン5

<ルール>
テーブルはブラックジャックとほとんど同じで6人ほどが座れるようになっていて、プレイヤーの前には4つの賭け金を置く場所がある。
  1. プレイヤーは自分の前にあるANTEおよび1と表示された場所に賭け金を置く。1に置く賭け金はANTEの倍でなければならない。
    3カードボーナスに賭ける場合は、一番右側にある場所に任意の金額をこのとき賭けなければならない。
  2. ディーラーは1デッキ52枚のカードをシャッフルしてから各プレイヤーと自分に裏向きに3枚ずつ配る。
  3. プレイヤーは自分の3枚のカードを見て賭けを続けるなら2と表示された場所に1と同額の賭け金を置く。続けないなら賭けた金額はすべて没収される。
    このとき3カードボーナスに賭けていてボーナスを貰えるハンドを持つプレイヤーは3枚を表にして示し、規定のボーナスをもらう。そのためには最後までメインの賭けを続けなければならない。
  4. 賭けを続けるプレイヤーとディーラーにはさらに2枚のカードが配られる。勝負はディーラーのハンド対プレイヤーのハンドである。プレイヤーが勝てば1と2に賭けた金額と同額が支払われる、ANTEに賭けた賭け金はそのまま戻る。プレイヤーのハンドが一定の強さ以上ならANTEボーナスが支払われる。プレイヤーとディーラーのハンドが引き分けの場合、賭け金はそのまま戻される。

    ANTE BONUS
    ROYAL FLUSH1000 x ANTE
    STRAIGHT FLUSH200 x ANTE
    4 OF A KIND100 x ANTE
    FULL HOUSE25 x ANTE
    FLUSH15 x ANTE
    STRAIGHT8 x ANTE
    3 OF A KIND5 x ANTE
    2 PAIRS2 x ANTE
    3 CARD BONUS
    STRAIGHT FLUSH40 TO 1
    3 OF A KIND30 TO 1
    STRAIGHT6 TO 1
    FLUSH4 TO 1
    PAIR1 TO 1


5、ボーナスポーカー

<ルール>
このゲームのテーブルも上記のゲームテーブルとほとんど同じで6人ほどが座れるようになっている。プレイヤーの前には2つの賭け金を置く場所がある。
このゲームはディーラーと勝負するものではなく、自分の手札が一定の強さ以上になったら配当が貰えるもので、2のカード4枚が常にワイルドカードとなる。つまり2があればどんなカードとしても利用できる。
  1. プレイヤーは自分の前にあるANTEと表示された場所に賭け金を置く。
  2. ディーラーは1デッキ52枚のカードをシャッフルしてから各プレイヤーに裏向きに3枚ずつ配る。
  3. プレイヤーは自分の3枚のカードを見て賭けを続けるならBETと表示された場所にANTEの倍額を賭けなければならない。続けないならANTEの賭け金は没収される。
  4. 賭けを続けるプレイヤーにはさらに2枚のカードが配られる。プレイヤーのハンドが一定の強さ以上ならANTEには同額、後で賭けた賭け金には一定のボーナスが支払われる。

    配当
    NATURAL ROYAL FLUSH1000 TO 1
    4 DEUCES200 TO 1
    WILD ROYAL FLUSH30 TO 1
    5 OF A KIND20 TO 1
    STRAIGHT FLUSH10 TO 1
    4 OF A KIND4 TO 1
    FULL HOUSE4 TO 1
    FLUSH4 TO 1
    STRAIGHT3 TO 1
    3 OF A KIND1 TO 1
    2 PAIRS1 TO 1
    PAIR OF ACESANTEのみ支払い


6、Let's Get WILD

<ルール>
このゲームのテーブルはボーナスポーカーとほとんど同じで6人ほどが座れるようになっている。プレイヤーの前には3つの賭け金を置く場所がある。
このゲームもディーラーと勝負するものではなく、自分の手札が一定の強さ以上になったら配当が貰えるもので、ワイルドカードは各ゲーム毎にディーラーが表示するカードとなる。つまり表示カードと同数字のカードがあればどんなカードとしても利用できる。
  1. プレイヤーは自分の前にあるANTEと表示された場所に賭け金を置く。
  2. ディーラーは1デッキ52枚のカードをシャッフルしてから各プレイヤーに裏向きに2枚ずつ配り、最後に1枚のカードをワイルドカードおよび各プレイヤーの共通カードとして自分の前に表示する。つまり各プレイヤーは常にワンペア以上になるわけである。
  3. プレイヤーは自分の2枚のカードとワイルドカードを見て賭けを続けるならBETと表示された場所にANTEの倍額を賭けなければならない。続けないならANTEの賭け金は没収される。
  4. 賭けを続けるプレイヤーにはさらに2枚のカードが配られる。プレイヤーのハンドが一定の強さ以上ならANTEには同額、後で賭けた賭け金には一定のボーナスが支払われる。
  5. なお、ゲームの最初に各プレイヤーは$1をBONUSと表示された場所に賭けることができる。プレイヤーのハンドが一定以上になればテーブルに表示された配当表にしたがい、別途ボーナスが支払われる。

    配当
    NATURAL ROYAL FLUSH1000 TO 1
    4 WILD CARDS100 TO 1
    WILD ROYAL FLUSH20 TO 1
    5 OF A KIND10 TO 1
    STRAIGHT FLUSH5 TO 1
    4 OF A KIND3 TO 1
    FULL HOUSE1 TO 1
    FLUSH1 TO 1
    STRAIGHT1 TO 1
    3 OF A KIND1 TO 1


7、Triple Shot

<ルール>
このゲームはラスベガスのダウンタウンでは 3Wayと呼ばれて遊ばれている。簡単に言えば1回のゲームでカジノウォーとブラックジャックとポーカーを遊ぼうとするものである。
ゲームテーブルはこれまでのゲームと同様で、プレイヤーの前には3つの賭け金を置く場所がある。
  1. プレイヤーは自分の前にある WAR、BlackJack、Pokerと表示された場所に同額の賭け金を置く。
  2. ディーラーは1デッキ52枚のカードをシャッフルしてから各プレイヤーに表向きに1枚ずつ配り、最後に自分にも1枚配る。ここでカジノウォーの勝負となり、勝敗によって賭け金は没収または配当される。引き分けはディーラーの勝ちである。
  3. 続けて1枚のカードが配られ、ディーラーにも1枚裏向きにカードを配ってブラックジャックの勝負となる。この場合、ダブルダウンはあるがスプリットは許されない(ただし、AAはスプリット可能で1枚ずつ引ける)。また、バーストするまでカードを引くのは自由。6枚引いてバーストしなければプレイヤーの勝ちとなる。
  4. ブラックジャックが終われば次はポーカーであるが、ここはディーラーとの勝負ではなく、一定の手役(ハンド)を作った場合に配当が得られる仕組みである。プレイヤーには合計6枚となるようにカードが配られ、そのうち5枚を使ってのポーカーハンドによって以下の表の配当が支払われる。

    ポーカーハンドに対する配当
    ROYAL FLUSH100 TO 1
    STRAIGHT FLUSH30 TO 1
    4 OF A KIND15 TO 1
    FULL HOUSE7 TO 1
    FLUSH5 TO 1
    STRAIGHT4 TO 1
    3 OF A KIND3 TO 1
    2 PAIRS2 TO 1
    PAIR OF Queens or Better1 TO 1

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